【村上春樹の習慣は魂の浄化そのものである】

やれやれ ANOくんの思想

はい、どうもこんにちは、ANOくんです。今日は僕が高校生の時から大好きな村上春樹さんについてご紹介していきます。村上春樹さんの”習慣”を深掘りつつ僭越ながら僕の考えをお伝えさせて頂き彼の書籍を、そして自分の人生をより深く味わえるヒントがお届けできればなと思っています。パスタをゆでる間の時間つぶしにでも読んでください。


村上春樹の習慣とは

まず初めに彼の習慣です。彼が日常生活をどのように過ごしているのかは新潮社出版の”考える人2010年8月号”に記載されています。

村上:習慣はすごく大事です。とにかく即入る。小説を書いているときはまず音楽は聴きませんね。日によって違うけれども、だいたい五、六時間、九時か十時ころまで仕事します。
− 朝ごはんは食べずに。
村上:朝ごはんは、七時ころにチーズトーストみたいなのを焼いてちょっと食べたりするけど、時間はかけない。
− あとはひたすら書いているのですか。
村上:そうですね。だれとも口をきかないで、ひたすら書いています。十枚書くとやめて、だいたいそこで走る。
− 十枚というのは、四百字づめの原稿用紙に換算しての十枚。
村上:そう。僕のマックの書式だと、二画面半で十枚。書き終わると、九時か十時くらいになります。そしたら、もうやめてしまう。即やめる。
− そこから先は書かないんですか。
村上:書かない。もう少し書きたいと思っても書かないし、八枚でもうこれ以上書けないなと思っても何とか十枚書く。もっと書きたいと思っても書かない。もっと書きたいという気持ちを明日のためにとっておく。それは僕が長距離ランナーだからでしょうね。だってマラソン・レースなら、今日はもういっぱいだなと思っても四十キロでやめるわけにはいかないし、もっと走りたいからといってわざわざ四十五キロは走らない。それはもう決まりごとなんです。
− たとえば青豆と天吾の章が交互に出てくるBOOK2で、青豆とリーダーの対決のシーンが終わったところが、その日の六枚目だとしても、つぎの章を四枚書くわけですか。
村上:もちろん。

要点をまとめると

・村上さんは毎日朝三時か四時に起きている
・毎日五、六時間誰とも口を聞かず執筆をしている
・朝ごはんには時間をかけない
・毎日必ず十枚書いている

ということがわかります。

村上春樹の習慣がなぜ優れているか

ここからは僕の考察を述べさせて頂こうと思います。

ドルコスト平均法を体現しているから

まず初めにここが挙げられます。みなさんはドルコスト平均法をご存知でしょうか?

簡単にいうと

ドルコスト平均法
(引用:やさしい株のはじめ方より)

というもので株の世界で”最も手堅い投資方法” と評されています。

世界が好景気であろうが不景気であろうが物価が上がろうが下がろうが毎年同じ数の株や債券を同じ数だけ買い続けるため、将来的には莫大な数の株や債券を手にでき値上がりしたタイミングで売りに出すことで元本を大きく超えたお金が手に入る、という低リスクで運用する手堅い投資方法です。僕も実は世界株を毎月買い続けています。

村上春樹さんもこれと同じことを実践されていますよね。毎日十枚書き続ける。景気が良い日も悪い日もテンションが上がっている日も下がっている日も体調が良い日も悪い日も、100万部売れた日も1部も売れなかった日も雨の降る日でも風の吹く日でも毎日必ず十枚書き続ける。その結果クリエイターにありがちな創作活動が止まるリスクを回避しつつクオリティの高い作品を継続して執筆し続けることができるのだと思います。

ドルコスト平均法の場合は”運用で得た利益” が成果であり、創作活動の場合は“執筆により生み出した高いクオリティの作品” が成果です。つまりは自分以外のコントロールできない領域がどれだけ変化しようとも自分のコントロールできる領域に集中力の全てを注ぎ外部環境を無視して活動することで”逆に外部環境に踊らされずより良い結果を生むことができている” のだと僕は考えます。

自分の精神世界に潜り続けられるから

先ほどの優れた点が現実世界での実用的なお話だとするとこの2点目は“人生をいかにより深く生きるか” と言った人生哲学のような点になるかと思います。彼の習慣についてまとめられた記事は他にも多々ありますが「彼の習慣を真似ると成功に近づく」だとか「彼の習慣はビジネスの世界の一流も行なっている」だとかなんだかさもしい意見が散見されます。それも大事なことだし、否定はできない部分なのですが彼の習慣には俗世での成功失敗に関すること以上に大事なものが秘められています。それは“自分の精神世界に潜ることができる” というものです。なぜ優れているか。それは日常生活を送っていると基本的に人は“自分の世界があることを忘れていくから”です。

意識できないスピートで物事は流れ無意識のうちに自分の意図していない方向に人生が進み自分の心に蓋をしてただ”健康で文化的な最低限度の生活”というビックワードの元で形成された社会から揉まれ流され引っ張られどんどんと自分の意思や言葉をなくして行ってしまいます。

これは人生で成功しているとか失敗しているとかは一切関係ありません。年収が1億円あっても世を恨み不遇を嘆き自ら命を落とす人がいる一方で、家も収入も家族もいないのに公園の片隅でいつも楽しそうに仲間と喋っている人がいるように人は自分の意思や言葉を亡くせば亡くしていくほど自分という存在が消滅し不幸になっていくのだと僕は思います。

僕自身消滅しかかったことが何度もありました。毎日頑張り続けないといけない風潮、
安定した給料を得て結婚をし子供を授かるのが人生の幸せだというスカスカのテンプレ、そんなステレオタイプが弱った自分を襲い僕は何度も混乱しました。自分が何が欲しいのか、何がしたいのか、どうなりたいのかがどんどん分からなくなって言って外の世界にも自分の中の世界にも自分という存在が見当たらなくなる。そして結局生命を生存させるために金を稼ぎ、食し、眠り、寝る、というサイクルのみを行う透明人間ができあがっていくのです。

だからこそ自分の中の世界は見続けないとならない。外の世界に出るとすぐに見失ってしまいます。外からの声が大きすぎて自分の心の声なんて一瞬でかき消されてしまいます。だからこそ聞き続ける習慣心に潜り続ける習慣を自分に身につける必要がある。

ビジネスで成功してどうこうとか一攫千金できてどうこうとか本当にどうでも良いです。そんな表面的なものよりも人間には大事なものがある。それは心の中にある魂 です。彼はそれを毎日見続け対話し引き出し、文字という形にしています。そうした形をとることによってようやく自分の心の世界の様相を少しずつ見にいくことができるんだと思います。

自分の中に深く潜れているでしょうか?世間的にいう成功失敗以上に自分と深く対話し“自分の世界の成り立ち” を理解する方がよっぽど大事なのではないかと僕は思います。

村上春樹の習慣は魂の浄化そのものである

僕は「創作(make up)」しているのではなく、ダークプレイスで「観察(observe)」しているのです。
心の奥底にあるダークプレイスまでに深く入っていくのは、危険で恐ろしいことです。世の中にはそこまで降りていかない人もいますよ。
でも本当に、真剣に、何かをしようと思ったら、そこへ行かなくてはならない。

(引用:President誌「村上春樹に会いに行く」より)

毎日5分でも10分でもいいので、この記事をせっかくここまで読んで下さった方は自分の心の中に潜っていく習慣をぜひ身に付けてみてください。村上さんのような小説が書けるようになるとは限らないし日常生活を送る中ではそこまで役に立たないかもしれません。でもあなたの魂にとっては必要不可欠なことです。

深く、暗い所で寂しがっている自分を、助けにいこう。